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ユニクロがまたおもしろそうなことやってる。

ユニクロが26周年を記念したキャンペーンサイトを公開中。Twitterでつぶやいてバーチャル行列に参加すれば、抽選で特典(1000円分のクーポンと限定Tシャツ)をゲットできるそう。

僕も並んでみました。画像最後尾の緑の人ですw

限定Tシャツ欲しいなぁ。


ユニクロ思考術ユニクロ思考術
著者:柳井 正
販売元:新潮社
発売日:2009-10-15
おすすめ度:4.0
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創業60周年を迎える株式会社ファーストリテイリング(以下、FR)、先日記念セールでヒートテックタイツを購入しました。昔アメフトやってた時に履いてたアンダーアーマーのコールドギアよりも温かい気がする。いいなこれ。

さて、今話題のユニクロ関連書籍、この本も読んじゃいました。

本書も、佐藤可士和氏によるデザイン。柳井正氏の著書「成功は一日で捨て去れ」と同様、FRとユニクロのブランディング、広告宣伝の役割が強いと思う。

それでも本書からは、ユニクロ事業の成長を支えるキーマン(デザイナー、建築家からFRの一担当者まで)の仕事に対する考え方、大事にしていることを様々なプロジェクトを通じて読み取ることができ、自分の仕事にもとても参考になった。

広告やプロジェクトの裏話などを垣間見ることができるし、FRに就職、転職をお考えの方は一度読まれた方が良いです。

以下、印象に残った言葉。
“ユニクロの哲学と僕のデザインの哲学は、かなり近いんじゃないか、と思っています。対象の本質をつかんで、それを引き出して、磨く。余計なものを足していくのではなくて、削ぎ落とす。僕のデザインのやり方は、つねにそうです。”-P16 佐藤可士和
“「良い商品」というだけでは、モノは売れない。お客さんに「良い商品だ」と思ってもらえて、はじめてモノは売れるのだ。だから、お客さんを説得するためのプロジェクトを立ち上げることが必要だ。しかし、言葉だけで説得しようとすると、必ずエモーショナルな部分が抜けてしまう。最終的には、お客さんに対する熱意 や感謝の気持ちといった「企業姿勢」そのものが「説得力」になるのだと思う。”-P138 柳井正
“この「学生コラボ」の仕事は売れる売れないだけでやってもつまらない。将来に繋がるというか、新たな価値を創造できる長期的な展望も含んでいないと何のためにやっているのかわからないですから。”-P147 ユニクロマーチャンダイジング部 進藤宣英
“わかりにくい複雑なものが会社のなかに漂っている。会社と社会の関係も見えてこない。何のために、誰のために存在している会社なのか。”-P215 ファーストリテイリング次世代SPA開発部部長 松山真哉
“私 たちが海外の工場でやっているのは「取り引き」ではなくて「取り組み」なんだ、そう考えながらやっています。「取り引き」という考え方では、何社かの工場 で見積もりを出させて、一番安いところを選べばいいという発想になってしまう。そうではなくて、お互いに知恵を出し合い、将来も見据えて、最善のかたちで 最高品質の商品をつくりだすような「取り組み」。そういう対等な関係を築き上げることが大事なんですね。”-p247 ユニクロ生産本部執行役員

FRはWEBプロモーション(のコンテンツ)が秀逸なのに加えて「情報発信」がうまい。とても60周年の企業とは思えないほど。60周年キャンペーンに合わせてtwittermixiを使った情報発信も始めたみたい。

経営者の考えが明確で、それが行動(企業姿勢)に現れている。一貫性があるんだな。一貫性があるから説得力がある。説得力があるから賛同できる。

そこにも惹かれるんだと思う。


成功は一日で捨て去れ成功は一日で捨て去れ
著者:柳井 正
販売元:新潮社
発売日:2009-10-15
おすすめ度:5.0
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株式会社ファーストリテイリング(以下、FR)の代表取締役会長兼社長、柳井正氏の著書。

前著「一勝九敗」に続き、著者の経営理念・哲学や、社長引退から復帰、そして現在に至るまでのFRの軌跡を知ることができます。

前著を読了した時のエントリーでも触れたけど、著者の信念を随所から読み取ることができた。いや、そのメッセージ性は前著よりもさらに強くなっている感がある。

自分が「うちの会社(又は自分)は、ひょっとしてこうなってしまっているんじゃないか」と、考えていたことがいくつも本書において触れられており、その度にハッとさせられた。

著者は、「成功を一日で捨て去らねばならない理由」を本書で以下の通り述べている。

“「成功」は、そう呼ばれた瞬間から陳腐化していくものである。経営環境が絶えず変化しているので、人真似の考え方や方法、あるいは他人任せという安易な手法を繰り返すだけでは絶対に成功などしない。自他ともに成功事例の復習は無意味なのだ。P2”

また、著者は「広告・ブランディング」についても明確な考えを持っており、本書からもそれを読み取ることができる。

前のエントリーでも書いたのだが、著者と同年代くらいの経営者の人で、広告やブランディングの重要性を認識し、かつ、それらに対する自分の明確な考えを持っている人というのは、なかなかいないと思う。

それは、著者が経営者であると同時に、創業者であるから、自社のあるべき姿とか、お客様に感じてほしいイメージとかがハッキリしているからなのかもしれない。(ほんと、うちの会社も見習わないとな・・・)


本書を読み終えたとき、著者は一体だれにこの本を読んでほしいか、ふと考えてみたのだが、僕は「FRのお客様になりうる人々」と「FRの役員及び従業員」ではないかと思った。

本書は、主に著者によるFR、ユニクロのブランディング・宣伝とともに、FRの役員・従業員に対するメッセージングの役割を果たしているのだと思う。

本書から読み取れる著者の経営理念・哲学、FRの目指す姿、本書のデザインがユニクロの店舗デザインでも関わりのある佐藤可士和氏によるものであること、著者が2002年11月に一度会長に退きながらも2005年9月社長に復帰せざるを得なかった、つまり、著者を超える経営者を育成することができなかった事実、FRとユニクロ事業の停滞や、以下に引用する印象に残った、心に引っかかった言葉などからそう考えた。

“会社というのは、何も努力しなければつぶれるもの。常に「正常な危機感」をもって経営しなくてはいけない。会社を成長発展させようと考えたら、「現状満足」は愚の骨頂だ。現状を否定し、常に改革し続けなければならない。それができない会社は死を待つだけである。P3”
“本来、ビジネスの世界では、指示待ちで給料をもらうだけのサラリーマンというのは存在しないはずだ。というのは、もし会社全体が立ち行かなくなったら、自分はどうすべきかを考えて主体的に行動するはず。そうでなければ、だめになっていく会社とともに、自分もだめになっていくのを待つだけということになってしまう。P69”
“店舗で接客販売する場合も、本社や本部で仕事をする場合も一緒だと思うのだが、自分がやるべき仕事の範囲は、社内の職務分掌規程に決められているにせよ、初めから範囲を限定してはいけない。本来は、自分で仕事を発見していかなければならないのに、与えられた仕事だけをするのがサラリーマン、あるいは会社員だと考えているのか、そういう人が増えてきている。P73”
“仕事というものは、自分の専門分野のことだけ考えればよいのではなく、部門を超えてどんな影響を与えあうか考え調整しながらやるべきものである。自部門に余裕があれば、忙しい他部門を手伝ってあげるべきだが、誰もそういう具合には考えない。そして、いつのまにか自分の城を築き、守りに入る。これでは「会社」ではない。会社は、そこで働く普通の人たちの力が、みんなで働くことによって何倍にも大きくなり、個人では成しえないような偉大なことを行う場所である。それを阻害するような壁や城があったら邪魔なだけである。P77”
“経営管理部門こそもっと能動的に攻撃的に他部門に働きかける必要があるのだ。ここは「おかしい」と思ったら、変えるように現場に指示を出すべきだ。そうでないと「管理」にならないと思う。P77”
“なんでもそうだが、常識的な考え方をまずは疑ってかかり、それが本当に正しいかどうか、合理的かどうか自身の頭で考えてみることが大切だ。P142”

うーん・・・引用多いかな。

でも、それだけアンテナに引っかかることが多かった、ここに記録せずにはいられなかったんだ。自分への戒めも含めて。

今から変えよう。自分が変わろう。うちの会社だからできちゃっていることや、甘え、全てやめよう。

トライ・アンド・エラー、前進し挑戦あるのみ。


一勝九敗一勝九敗
著者:柳井 正
販売元:新潮社
発売日:2003-11-15
おすすめ度:4.5
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昨今の不況下においても増収増益、今や日本発のファストファッションブランドの感もある「ユニクロ」を有する株式会社ファーストリテイリング(以下、FR)の代表取締役会長兼社長、柳井正さんの著書。

著者の経営に対する考え方や経営理念、FRの事業拡大や海外展開、広告宣伝、ブランディング、様々な成功と失敗、1984年〜2003年にかけてのFR成長(と失速)の軌跡についてを知ることができる本。

最近出版された同著者の「成功は一日で捨て去れ」を読む前に、以前に読んだ本書について自分の考えをまとめておく。

著者の経営に対する信念を3つあげるとすれば、以下3点だと思う。本書の随所から読みとることができた。

■企業とは、常に流動的であって、変化できなければ 消滅するものである。

■経営の原点は現場にあり、現場こそが何よりも重要である。

■服に個性が必要なのでは無く、服はそれを着る人が着こなして初めて個性を発揮するものである。 
 
1つ目の信念は、海外展開や事業の多角化など、挑戦と失敗を繰り返しながらも成長を続けるFRの経営姿勢にみてとることができる。

2つ目の信念は、「店長が主役であり、本部はサポート役」とし、店長の仕事を全うすれば本部にいるよりも高収入が得られる、「店長でいることが最終目標」の仕組みを作り上げたことや、コンサルを雇うよりも直接お客様にユニクロ製品の不満を聞こうと、95年に行った「ユニクロの悪口言って100万円」の広告キャンペーンにも現れている。

3つ目の信念は、ユニクロ製品のシンプルなデザインに現れていると思った。

新事業挑戦!アグレッシブな経営!失敗を恐れない!ベンチャースピリット!

と言ってる企業は山ほどあると思うけど、実際は言ってることとやってることがそこまでマッチしていない企業が多いと思う。

過去の成功体験や、先例に縛られ、自社の経営資源の活用にこだわるばかりに新事業や経営転換が図れず、次の芽がそこにあることに気がつけない、その芽をつぶしてしまう企業も多いのでは。

FRはどうなのか、FRで働いたことは無いから本当のところはわからない。でも、本書からはFRが経てきたいくつもの挑戦と失敗を知ることができた。

個人的にFRがすごいなと思っていたのは、そのブランディング、とりわけWEBのプロモーション秀逸であるところ。

以前にも書いたけど、コンテンツ一つの完成度が凄く高い。

本書には、著者の広告に対する考え方についても言及されていた。

“広告宣伝というのは零点か百点しかない。そのほどよい中間はないと思う。(P119)”
“広告は視聴者に到達してこそ広告であり、中途半端なものは埋没し絶対に到達しない。「到達」とは視聴者が共感してくれて、われわれが伝えたいと考えていることが伝わり、結果が想い通りになるということだ。(P119)”

ユニクロの広告には、Appleに感じるのと同じ「洗練さ」を感じることがあるけど、経営者の人で、広告についてちゃんと考えを持っている人ってそんなにいないと思うな。

広告に対するポリシーを持っているからこそ、ああゆうコンテンツが作れるんだと思う。

最後に、僕が気に入った、FRの経営姿勢や、本書のタイトルに通じる著者の言葉を紹介。

“われわれのやり方はつねにトライ・アンド・エラー。前進し挑戦あるのみだ。(P128)”

昔親父に教わった「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」という上杉鷹山の言葉を思い出した今日この頃。

チャレンジ精神と好奇心はいつまでも忘れないようにしなきゃな。

 

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