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見たこと、読んだこと、思ったこと

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しばらく更新していなかったけれど、ここ2年くらいのことについて、自分的にいい区切りだと思うので、簡単だけど書いておこうかと。

2012年9月にソーシャルゲームの会社に転職して、もうすぐ2年になる。 

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「今後取り組みたいテーマ」について、ざっくり明文化しておこうと思う。

▼Webで取り組みたいテーマ

1.パーソナライズ検索(検索エンジンに自分の人格を移植する)
2.レコメンデーション(情報への新しい到達方法)
3.情報の体系化(情報そのものの量と質の向上)

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探検ドリランド 無料で遊べる新探検カードゲーム!   GREE


ソーシャルゲームとキャバクラの違いという記事に書かれていた内容が結構しっくりきたのでメモ。

僕も一時期「なぜ(くそつまらない)ソーシャルゲームにハマる(課金しまくる)のか?」と疑問が湧き、考えたことがあった。

何が面白いのかを理解しようと、いくつかゲームをやってみたけど、やっぱりゲームの内容自体は単純なクリックゲームで、どのゲームも「(クエストや釣りなど)アクションを何回か繰り返す→(体力などがなくなり)アクションができなくなる。→回復にはアイテムが必要です。→(放置)→体力回復→アクションを何回か繰り返す→アクションができなくなる。→回復にはアイテムが(ry」という流れの繰り返しで、ゲームのストーリーや内容として広がりがなく、ちっとも面白くなかった。

ゲームが面白いからハマる(課金しまくる)というのは無さそうだなと思ったし、単に「ゲームを有利にすすめるため」が課金しまくる動機でも無いだろうと思ったので、他に何か動機があるのだろうかと考えてみた。その時自分の中で出た仮説は「他人に頼られたい」という動機だった。

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武雄市役所


今年の8月に、佐賀県の武雄市役所が公式WebサイトをFBページへ移行したらしい。ITmediaの記事を読んで初めて知った。

とても先進的な試みだと思うけど、サイト利用者である市民を置いてきぼりにしているようで、個人的には微妙。そもそも移行する必要性がよくわからなかった。

「市民の中には、その進化の過程から取り残されている人もたくさんいるのではないでしょうか」という記者の問いに対して、市長さんは、「ほとんど取り残されていると思います。」って答えちゃってるし、正直、誰のためのFBページなのかなと思った。(まぁ、FBページと同じものをWebサイトとしても残しているようですが。)

この記事を読んで、ふと「FBページはコーポレートサイトたりえるか」という疑問が湧いてきたので、考えてみた。以下にメモをまとめておく。続きを読む

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今、僕は間違いなく「人生の岐路」というものに立たされている。

今一番やりたいことができそうな部門(ネットワークサービス系の新事業を企画する部門)への異動が決まりつつある中で、企業広報を担当する部門への異動を打診された。ただ広報に異動するだけの話だったらまったく眼中に入らなかったけど、今回は「中国での勤務がある(かも)」という話だった。

正式に打診されたのが9月15日で、今日その答えを伝えなきゃなきゃいけない。

「選択」とは「何かを捨てる」ということ。

何を選択し、何を捨てるか、自分の考えをまとめるためにこの文章を書いている。午前半休を取得して。



やりたいことができそうな部門へ異動を希望していた。


1年くらい前から、ネットワークサービス系の新事業企画部門への異動を希望していた。でも、まだ具体的にやりたい「何か」が存在しているわけではない。

けれど、これからの情報家電業界の行く末を考えると、企業として更なる成長、飛躍を遂げるためには「ソフト、デザイン、ブランド」で強みも持つこと、特にソフト、言い換えると、「サービスで強みをもつことの重要性」を強く感じていて、とにかく早くサービスの企画、開発、運営の経験を積みたいと思っていた。

一日も早くその分野のインサイダーになりたいって。

8月上旬に上司にそのことを話し、異動の希望を伝えた。上司は「異動を実現させるために何ができるか考えさせてほしい」と言ってくれ、その後も関係部門に働きかけてくれていたようだ。

「待ってるだけじゃだめだ、自分でつかみ取らないと」と思い、同期の紹介を通じてネットワークサービス系の部門の上級職の人と会わせてもらい、話をさせてもらった。そしてその部門に行くことを内諾してもらえた。

あとは関係部門の調整がまとまるのを待つだけだと思ってた。



やりたいことができそうな部門へ異動するという決意が「中国」にぐらついた。


一番始めに広報、中国を打診されたのは9月10日。酒席だった。初めは「全く興味が無い」と言っていたが、話を聞いてるうちに自分の気持ちがぐらついていた。

この話を受ければ、そして中国に行ければ、若いうちに海外で働くという経験ができることはもちろん、中国に行けば、企業広報だけでなく製品広報、マーケティングだったり、それこそ何でもやらなきゃいけないし、様々な経験を積むことができる。

加えて、北京オリンピックや上海万博を経て、いよいよ本格的な国際化・近代化を迎える中国に住み、中国経済、マーケットの成長や、中国の人々が何に価値を見出して、何に価値を見出せないのか、それを肌で感じることができる。

これからのネットワークサービスはグローバルな展開を視野に考えなければならないし、中国での経験は自分がいよいよネットワークサービスか何かで新事業の企画立案をする時に、自分の強みになるんじゃないかと考えた。

また、停滞する日本を飛び出して、成長著しい中国で、日本では会えない人々と会い、成功を夢見てもがく人々を身近に感じながら、自分が何を感じてどう考えるのかを見出したいとも考えた。

なにより、中国で働く自分を想像して、すごく「ワクワク」した。



けれど、広報という仕事に携わることについて疑問を覚えた。


広報という仕事の本質は、「リスク管理」だと思ってる。攻守でいうと「守る」ほうだ。そういう意味では今の法務という仕事と本質的に変わらない。

「自分の適性はオフェンスにあるんじゃないか」と思い、このまま法務という仕事を続けることに疑問を感じている今、広報の仕事に携っても、同じような疑問を感じると思う。

まして自社の主力事業の方針に疑問を感じている今の状態では、企業広報に携わったとしても、自分の発信する情報に疑問を感じながらそれをやる、ということになりかねない。製品広報においても、自分がその製品に価値を見出せていないのに、それをやることができるのか。マーケティングだって同じだ。

「仕事の内容」と「仕事をする場所」、どちらを重要視するか。僕は「仕事の内容」の方が重要だと思う。

どんな仕事でも、その仕事の内容を「好き」とか「やりたい」とか思えないと、頑張れないと思う。24時間寝る以外の時間を費やしても苦にならないようなことを仕事にしたい。

広報という仕事でそうなれるだろうか?やりたいと思ってるサービスの企画開発の方がそうなれるんじゃないのか?でも、中国で働くことを想像した時の「ワクワク感」は何だったんだろうか…。

そんな考えが頭を駆け巡ってた。そして数時間おきに考えが逆転してた。

「やはりネットワークサービス系の部門に異動する!」「やっぱり中国に行くために広報へ!」って。

ずーっと考えていた。


5年後、10年後に何をやっていたいかを考えた。


連休中も色々考えて、どちらも好ましい点とそうでない点がある。

最後は自分がどうしたいかってことなんだよね。

自分がこれから何をやっていきたいか。5年後、10年後どんなことをしていたいかを考えることにした。

そして、僕は人を笑顔にする、笑顔にできる仕事をやっていたい、そして笑顔を増やそうとする人を助けたいと思った。そういうサービスが作りたいなって。

写真を始めてから思うんだけど、人の「笑顔」ってすごく魅力的で、奇麗なんだよね。素の笑顔。奇麗な風景やモノを撮れた時も嬉しいんだけど、人の笑顔が撮れるとすごく嬉しいし、とびきりの笑顔を撮れるとすごくニヤニヤしてしまう。写真の中が笑顔で溢れていたらなおさらテンション上がってしまう。

もっと笑顔の人を増やしていきたい。人を喜ばしたい。ニヤッとでも、クスッとでも、ゲラゲラでも、ガハハでも。



そして今はサービスを作るときじゃないなと思った。


情報家電におけるサービスの重要性は確実に高まっていくと思うし、自分自身もサービスに興味がある。けど、サービスがあくまで手段であって目的ではない。

目的は「人を笑顔にすること、笑顔を増やそうとする人を助けること」なんだな。

これをサービスという形に落とし込むときに、「どんな形に落とし込むか」、今の自分にはその解が無い。今の自分の引き出しの中に入ってるものだけじゃそこそこのものしかできないように思えた。経験値が少ないからだ。

今は色んなことを経験して吸収したいと思った。今月で26歳を迎えるわけだが、20代の内は様々なことを経験して、やりたいことをやるための下地を作りたいと思った。

中国で多様な価値観に触れて、様々な業務を経験して、その経験を、人を笑顔にすることに、笑顔を増やそうとしている人を助けるためにどうにかして役立てたいなって。サービスができたらいいなと。


最後はきれいごとばかり書いてしまったかもしれないけど、精一杯考えた。



結論


僕は中国行きを目指して広報に行く。てか絶対中国に行く。


導きだした結論を上司に話しに行く。そして、僕の異動のために力になってくれたネットワークサービス系部門の上級職の人にも話しに行く。


何が正解かはわからないけど、決めたら進むのみ。


数ヶ月前から何となく考えていたUXとUIのことについて、ちょっと自分の考えを整理しようと思う。


製品・サービスの作り手たる企業は、これから、「どんなユーザーエクスペリエンス(UX)を提供できるか」で勝負できないといけないと考えるようになった。


これは特に新しい概念ではないし、程度の差こそあれ、今までも当然行われていたことのように思うけど、これからは、よりUXを意識した、そして、よりUXに重きを置いた、製品・サービスの開発が求められるのだと思う。また、いずれUXで差別化せざるをえないときがくるように思う。


一部の製品では既にコモディティ化が起こっているが、サービスにおいても、クラウドや開発技術の発展により、サービス開発・提供のハードルが下がり、世界規模でサービスが開発され、普及していくことによって「サービスのコモディティ化」が起こるんじゃないかと思う。


サービスのコモディティ化によって、サービスの内容や質においても、競合と比較して大きな差異が無くなってきたとき、作り手は何をもって競合他社の製品・サービスとの差別化を図っていくのか。


「製品・サービスを通じて最終的にユーザーに提供する体験」、つまりUXで、その内容と質で、差別化を図るしか無いんじゃないか。そして、UXで勝負していくためには、デザイン(外観・UI)が最も重要な要素になると思う。


ユーザーが直接触れて、目にするのは、製品・サービスの「デザイン」であり、ユーザーと一番近いところにあるのが「デザイン」だから。


UXで勝負しようと言うのに、作り手が製品・サービスに込めた想い(新しい価値の提案、ユーザーに提供したい体験)がちゃんとユーザーに伝わるようにデザインされていないと、どんなに製品・サービスが優れたものであっても、ユーザーには何も伝わらない。


そうなると作り手が意図したUXを、ユーザーに感じとらせることも出来なくなる。そうなるとUXで勝負する土俵にも上がれない。


UXで勝負するための重要なキーワードは「ユーザーに”伝わる”デザイン」だと思った。


もうちょっと考えるか。


以前に通信機器メーカーの今後についてブログに書いたけど、あれから時間も経ち、ソニーやキヤノンがEvernoteと組んだりソニーとグーグルが提携を発表したりと、「動き」があったので、今一度、現時点での考えをまとめておきたい。

なお、通信機器・家電は「情報家電」という語が適当らしいので、その語で統一することにした。

では、まず現状について。

■ 現状認識

⑴ 情報家電の価値は、「実体価値」から「無実体価値」へとシフトした。
⑵ 日本の情報家電メーカーは「実体価値」で勝負できない。
⑶ コンテンツ・サービス開発企業でもモノを作れる。
⑷ 情報はWeb上に集約されていく。



⑴ 情報家電の価値は、「実体価値」から「無実体価値」へとシフトした。

基本的に、ユーザーにとって情報家電の価値というのは、情報家電のハード面(品質・性能・価格)における価値(実体価値)では無く、その情報家電を通じて享受・利用できるソフト面(ブランドやコンテンツ、サービス※)の価値(無実体価値)によるところが大きくなっている。

※サービスには現実世界における保守等のサービスだけでなくWebで展開されるサービスも含みます。

iPhoneを例にあげる。 iPhoneの価値は、そのソフト(iTunesと十数万にも及ぶアプリを利用することができる)であり、iPhoneのハードの価値は、革新的な技術が使用されているわけでもないし、そこまで高く無いと思う。

ソフトが優れていなければ、ソフトに価値がなければ、ここまでiPhoneは普及しなかっただろう。ユーザーにとってはそれらのソフトが使えれば、デバイスがアップルのiPhoneで無くても、PalmやDroidでも正直何ら問題無いだろう。

Kindleでも同じことが言える。PCでもそう。KindleにいたってはiPhoneアプリを提供しているし。

何が言いたいかというと、ユーザーにとって情報家電とは、ソフトを利用するための単なる手段でしかない、ということ。もはや「無実体価値」が情報家電の価値そのものとなっていると言っていい。

それほど、情報家電の価値における「無実体価値」は大きくなっている。


⑵ 日本の情報家電メーカーは「実体価値」で勝負できない。

製品の「実体価値」に面では、日本の情報家電メーカー各社の製品間にそこまで圧倒的な差は見られない。

グローバルな視点で見れば、労働力を含め製造コストが安く、価格競争力に勝る新興国のメーカー(韓国、中国)が、その技術力向上により、日本の情報家電メーカーの製品と変わらない品質・性能の製品を、日本のメーカーよりも安く製造し販売できるようになってきている。

これらの新興国メーカーと「実体価値」で勝負するということは、彼らとの価格競争に挑むということである。価格競争力でそもそもの製造コストが安い新興国メーカーが有利なことは自明であり、日本のメーカーである限り、彼らとの価格競争に勝利することは難しいように思う。

日本のメーカーは、価格競争力を高めるために、新興国に自社の製造・開発機能を移転したり(今やほとんどの日本のメーカーが中国に製造・開発機能の一部または全部を移転していると思うが、それを更に推進するか、中国よりも労働力の安い新興国に その機能を移転することを考えなければならなくなる。・・・機能移転が推進されれば職を失う日本人労働者も増えるし、日本人労働者の士気も下がるだろう。)、経費削減、業務効率化を徹底することで、一時的に価格競争力を保つことができるかもしれない。

しかし、新興国のメーカーも当然、自社の価格競争力を高めるべく、日本のメーカーと同じような施策を実施してくる。

日本のメーカーが施策を断行したとしても、いずれにせよ延命措置でしかなく、成長にはつながらないと思う。むしろ日本のメーカーの体力が消耗されるだけ。(そして消耗したところを新興国の企業に買収されるというシナリオ。)

「実体価値」で勝負しても、ジリ貧で、先は見えている。


⑶ コンテンツ・サービス開発企業でもモノを作れる。

メーカーでなくても、EMSで モノを製造することが可能なのだ。

グーグルは、自社の提供するコンテンツやサービスを快適に利用できる製品を、製造委託によって提供している。

彼らの目的は、「グーグルのサービスのユーザーを増やすこと」にある。そのためなら、グーグルはスマートフォンに限らず、自社サービスの利用促進を見込める製品分野において、自社サービスと親和性が高い製品(複合機やタブレット)を投入してくることも十分考えられる。

先のブログでも書いたが、 メーカーであってもグーグルを競合と認識する必要がある。


⑷ 情報はWeb上に集約されていく。

情報家電は、基本的に「情報」を表示したり、出力するモノであるが、その情報は、クラウドの普及によりWeb上に集約されていく。コンテンツも、Web上に集約されていく。


ここからは、これらの現状を踏まえ、生き残りをかけて日本の情報家電メーカーがやるべきことについて述べる。

■ 日本の情報家電メーカーがやるべきこと。

⑴ 単なる製造企業から「コンテンツ・サービスの開発企業」へ変化する。
⑵ 自社で製造拠点は極力持たない。開発拠点は残す。
⑶ 本社間接部門の人員はスリム化しつつ、若手への権限委譲を進めること。


⑴ 単なる製造企業から「コンテンツ・サービスの開発企業」へ変化する。

実体価値で勝負したところで勝てないなら、日本の情報家電メーカーは、「無実体価値」で勝負できる企業にならなければならない。ブランドや、特にWebに置けるコンテンツ開発力、人を惹き付けられるサービスの開発力が問われる。

まず、コンテンツ・サービスで人を集めた後で、コンテンツ・サービスと親和性の高い「製品」を提供する。コンテンツ・サービスでは広告やサービス利用料で収益を得て、後に製品の販売でも収益を得ることを目指す。

「コンテンツ・サービスの開発企業」へと変化しなければならないと述べたけど、メーカーはメーカーであるが故に、独自に、グーグルやWebにおけるコンテンツ・サービス開発企業と同じような、人を惹き付けるコンテンツやサービスを開発できるとは思えない。

メーカーで培ったモノ作りの精神、ノウハウがコンテンツ・サービスの開発に活きないとは思わない。でもモノ作りと同じ考え方、手法でコンテンツ・サービスの開発をしても、人を惹き付ける、新しいコンテンツやサービスを開発できるとは、どうしても思えない。根本的に考え方が違うように思う。

製造企業から「コンテンツ・サービスの開発企業」への変化を目指すための、現実的な手段としては、「有力なコンテンツ・サービスを有する開発企業を買い(その企業文化を残したまま)、主力事業にまで大きく育てる。」のが良いのではないかと思う。

そして、育てるのと平行して「有力なコンテンツ・サービスを有する企業と提携し、コンテンツ・サービスと自社製品との連携を行いつつ、コンテンツの開発やサービス運営のノウハウを吸収する。」ことを実施するのだ。ぬかりなく。


⑵ 自社で製造拠点は極力持たない。開発拠点は残す。

単なる情報家電メーカーからコンテンツ・サービスの開発企業へと変化するにあたり、コアな技術開発拠点は残すべきと思うが、製造拠点は極力持たない。

コストカット的な意味もあるが、それよりも、「モノにしばられない」ため。

製造拠点を持つということは、その製造拠点に縛られることにつながる。製造拠点を活かさなければならない、製造拠点の売上を立てなければならない、と言うふうに。

コンテンツ・サービスの開発においても、全ての発想が「モノありき」「製品化ありき」になってしまう。これでは、コンテンツ・サービスの幅に制約がかかってしまう。それは極力避けたい。

「実体価値」よりも「無実体価値」が優位の世の中では、モノは手段でしか無い。モノの製造には、必要に応じてEMSを利用すれば良いんじゃないかと思う。


⑶ 本社間接部門の人員はスリム化しつつ、若手への権限委譲を進めること。

コストカット的な意味もあるが、何より機動力を得るためである。

クラウドの普及、SaaSからPaaSの発展をふまえると、確実にコンテンツ・サービス開発を行うベンチャー企業が多数、台頭してくる。それらの企業と対抗できる機動力を持たなければならない。


以上が、日本の情報家電メーカーがやるべきことについての、現時点における自分の考え。


■ ソニーとグーグルの提携、ソニーが目指すもの。

5月21日、ソニーとグーグルが提携を発表した。

ソニーは日本の情報家電メーカーが生き残るためにやるべきと思うことを体現しているように思う。

この提携によりソニーと他の情報家電メーカーとの間に、大きな差が生じることになると思っています。願っています。

“ソニーが21日、米グーグルとインターネットに対応した新型テレビや携帯端末など情報機器での包括提携を発表したのは、ソニーが目指してきた「ハードとソフトの融合」を図るためだ。ソニーはテレビで価格競争力のある韓国勢、携帯端末で独創的な商品をそろえる米アップルに水をあけられており、提携を反転攻勢の足がかりとしたい考え。だが、グーグルが他の家電メーカーとも組む可能性もあり、ソニーの思惑通りに進むかは予断を許さない。”[毎日.jp]ソニー・グーグル:提携 ソフトと融合でアップルに対抗
“ソニーは次世代の携帯電話や電子書籍端末などの開発でもグーグルとの連携を検討する。「ソニー製品全般をインターネットと融合し、消費者が楽しめる選択肢 を広げる」(ハワード・ストリンガー会長兼社長)。”[日本経済新聞]ソニー、グーグルと提携発表 家電にクラウド活用

ソニーは以前から映画、音楽、ゲーム等のコンテンツを持ち合わせるメーカーではあったが、最近では液晶TV生産の外部委託比率を増やしたりと、コンテンツ・サービス開発会社としての性格が色濃くなっているように思う。

ソニーにとって、今回のグーグルとの提携は、単にインターネットTVやデバイスの開発が主目的では無く、「ソニーがもつ映画、音楽、ゲーム等のコンテンツを、いずれWebサービスとして提供するため、自前でWebサービスやandroidのようなプラットフォームを開発するため、グーグルのもつノウハウを吸収すること」が、提携の主目的であるように思う。

(ソニーが、自社のもつコンテンツを、グーグルのサービスやプラットフォームを利用して提供するとはどうしても思えない・・・そうなったらそれはそれでスゴイことになるけど。)

「グーグルが他の家電メーカーとも組む可能性もあり・・・」とか指摘されてるけど、前述の推測が正しければ、ソニーとってはそこまで脅威にならないと思う。

数年後には、ソニーの映画、音楽、ゲーム等のコンテンツを、ソニーの開発したWebサービスを通じて利用することができるようになり、サービスと親和性の高い製品がソニーによって市場に投入されるだろう。

グーグルとしては、今回の提携により、ソニーの持つブランドや販売網を利用してグーグルのサービスの利用者数を増やすことができ、よりユーザーの生活の中に入り込むことができる。

これによりグーグルは、人々が、どういう状況で、何を検索し、何を選択したかという情報を、PCやモバイルだけでなく、TVやその他のデバイスから得られるようになり、グーグルの収益の約9割を占めるという広告ビジネスやその他のビジネスに繋げることができるようになる。

まぁWIN-WINでしょう。たぶん。

これで、もし、ソニーが復活しなかったら、日本の情報家電メーカーはいよいよアレになってしまう。

ソニー、頑張ってください!


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